コルナゴの意味
日夜経営着として働いている、そんな印象を受ける。経営者としての彼の生き方はそれほど珍しいことではないかもしれない。しかし、決して大きいとはいえない企業規模で、これまでやってきた開発、技術革新、品質管理、プロパガンダ、社交などを通したあらゆるコネクションづくりなどをひとりでやってきたことを考えても、凄まじい努力をしてきたことは間違いない。イタリア人の成功者の多くは、こんな感じで「ファミリー」を築き上げていくようだが、エルネストのスタイルは典型的なものなのだろう。ボス自身は、凡人の目から見ると仕事以外の面では無趣味なひとが 多いものらしい。エルネストは、商社や製造業者の社長というより、ヨーロッパやイタリアのレース界で不可欠のパトロンのリーダー的存在だ。それはビアンキ、ビナレロ、デローザ、ウイリエールなどのイタリアの老舗も認めているところだ。ほかのパトロンメーカーにとって、エルネストに限ってはライバルではなくレース界を支えるひとりの人間として、この世界の最先端、あるいはど真ん中で必死にあれこれ考えながら生きている印象を強く受けるのだろう。金のかかるレースを支えたいがために、「仕方なく」複雑なビジネスのことを真剣に考えているように思える。